人工肘関節 −最新のMISを柏で
人工肘関節置換術 −最新のMIS: 最小侵襲手術−
人工肘関節とは
MIS(エム・アイ・エス)は、正常な組織(筋肉や腱、皮膚等)の損傷を最小限にした手術です。
| 部位 | 下肢(膝・股関節・足趾) | 上肢(肩・肘・手関節・手指) |
| 対象疾患 | ・関節変性疾患(変形性膝関節症、変形性股関節症など) ・外傷性疾患(外傷性大腿骨頭壊死症、大腿骨頭脆弱性骨折、脛骨高原骨折などの膝関節内粉砕骨折など) ・その他(特発性大腿骨頭壊死症※、急速破壊型股関節症、大腿骨内顆骨壊死、人工関節置換術後の弛み・摩耗・破損など) | ・関節変性疾患(肩腱板断裂、腱板断裂症性肩関節症、変形性肩関節症、変形性肘関節症、変形性手関節症、変形性指関節症など) ・外傷性疾患(上腕骨近位端・遠位端などの関節内粉砕骨折、肩・肘関節脱臼骨折(粉砕型)、外傷性上腕骨頭壊死など) ・その他(上腕骨頭壊死、人工関節置換術後の弛み・摩耗・破損など) |
| 術式 (※人工関節) | ・人工膝関節置換術 (ロボット支援手術、術中ナビゲーション手術等) ・人工股関節置換術 (主としてALS(前外側)アプローチ、一部PL) ・人工趾関節置換術(MTP関節) ・人工膝関節再置換術 ((Extensile) medial parapatellarアプローチ等) ・人工股関節再置換術 (主としてPL(後方)アプローチ) | ・関節鏡視下腱板修復術(ARCR) ・人工肩関節置換術 ・リバース型人工肩関節置換術 ・人工肘関節置換術 (Paraolecranon(上腕三頭筋温存)アプローチ、 Campbellアプローチ) ・人工手関節置換術(DARTS®︎) ・人工指関節置換術(PIP関節(Simmen法)、MP関節) ・各種、人工関節再置換術 |
手術支援ロボットの導入について
2021年7月、最新の人工関節手術支援ロボット「ROSA Knee(ロザ・ニー)システム」を千葉県で初めて導入(国内7施設目)しました。安心・安全な人工関節手術の実現を可能とする、革新的なテクノロジーを搭載した手術支援ロボット「ロザ・ニー」を使用した人工関節治療によって、患者さんのアクティブで健康的な生活を取り戻し、さらなる健康寿命の延伸を目指します。
2025年1月現在、既に当院のROSA systemは、ロボット支援による人工股関節置換術(THA)、単顆型人工膝関節置換術(UKA)用ソフトウェアへアップデートされ、専用の手術器械に対応した体制をとっています。
最小侵襲手術−エム・アイ・エス(MIS: Minimally invasive surgery)
人工肘関節置換術は、痛みの原因となる擦り減りや変形を生じた関節表面を取り除いて、人工の肘関節(インプラント)に置き換える手術です。
インプラントは大きく上腕骨と尺骨の2つに分けられます。この2つは金属製ですが、蝶つがい部分の素材は、耐久性に優れた超高分子量ポリエチレンでできており、これが軟骨の代わりになります。
この人工肘関節によって関節の痛みを解消し、スムーズな肘関節運動を可能とすることで、正常な関節機能に近づけます。

人工関節手術が必要な方へのご案内
当院では、関節治療センターとリウマチ・手外科センターが併設されており、専門性を要する人工肘関節治療に対応が可能です。
県内外の医療機関から紹介患者さんの受入れや、病診連携を通じた医療連携を推進しています。
重度の肘外傷や難治性偽関節に伴い、人工肘関節の治療が提案された方へ
人工肘関節を用いた治療には、経験豊富な専門医による診断と手術が必要です。
▷▷▷出来る限り早急に対応いたしますので、「人工肘(ひじ)関節治療について」と病院代表より整形外科担当者(千田)までお問い合わせください。
当院を受診の際、可能であれば診療情報提供書(紹介状)、お手持ちの画像データ(データCD、またはフィルム)をお持ちください。
当センターにおける人工肘関節置換術の特徴
身体に負担の少ない低侵襲治療(MIS)
当センターで行う人工肘関節置換術では原則として、筋肉等の組織を切離・切除しない最小侵襲手術(MIS)による人工関節治療を実施しています。手術後の痛みを最小限に抑えられるように、徹底した多角的疼痛管理を行っています。
対応関節:人工膝関節/ 人工股関節/ リバース型人工肩関節/ 人工肘関節/ 人工手関節/ 人工指関節に対応。

関節リウマチ治療に対応−薬物治療から手術治療まで−
当院では、関節リウマチに伴う変形性肘関節症の方の薬物治療もサポートします。内科と連携し、従来の抗リウマチ薬に加え、最新の生物学的製剤やJAK阻害剤による治療も行っています。入院後も、前医で導入された関節リウマチ治療の継続が可能です。
手術後はかかりつけ医との病診連携も積極的に行っています。

多彩な職種によるチーム医療−個別化医療との両立
進化を遂げる治療体系と多様化する価値観に対応するため、専門的知識を有する手外科専門医、日本リウマチ財団登録医・日本リウマチ財団登録看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、薬剤師など多職種による連携のとれたチーム医療を実現します。
当センターでは、患者さん個別の病状に応じて治療方法を検討し、最適な治療方法を提案します。

主な適応疾患
人工関節による治療の対象疾患について
当センターでは人工関節を用いた治療を必要とする、多種多様な疾患に対応しています。
| 関節変性疾患 | 変形性肘関節症、関節リウマチに伴う関節変形・関節破壊・強直肘など |
| 外傷性疾患 | 上腕骨遠位端骨折、上腕骨通顆骨折、肘関節脱臼骨折(高齢、または粉砕型)など |
| その他 | 人工肘関節置換術後の弛み・摩耗・破損・感染、人工肘関節周囲骨折など |
肘関節の痛みでお悩みの方は、専門医による診察を受けてください。
問診やレントゲン撮影、CT(3次元画像など)検査を行い、専門医が的確に診断します。
また、治療方針の決定にあたっては、最良の治療が行えるように患者さんと一緒に十分なインフォームドコンセント(説明と同意)を行います。
変形性肘関節症に対する人工肘関節置換術

変形性肘関節症において、薬物療法(消炎鎮痛剤の内服や鎮痛外用薬)で十分に痛みがコントロール出来ない場合や、変形に伴う可動域制限が強い場合、人工肘関節置換術による手術治療が有力な治療選択肢となります。
粉砕型・上腕骨遠位端骨折手術後の内固定破綻に対する人工肘関節置換術

高齢者や極度の骨粗鬆症患者では、上腕骨遠位端骨折の手術(観血的整復内固定術)後に内固定の破綻をきたす場合があります。ヒンジ機能付きの創外固定を併用する方法もありますが、骨癒合にかかる期間や複数回手術の身体的負担を考慮した場合、人工肘関節による治療方法が最も効果的、かつ円滑なリハビリテーションの進展が期待できます。
長期間が経過した難治性上腕骨遠位複合損傷(偽関節)に対する人工肘関節置換術

肘関節周辺の骨・関節外傷では、解剖学的整復と骨癒合に加え関節機能(関節の可動性)の回復が求められます。偽関節(骨が癒合しない状態)となった場合、骨移植や再手術(偽関節手術)を検討します。しかし、再手術により骨癒合が得られたとしても、肘関節の動きに制限(関節拘縮)が残りやすいため、さらに関節授動術を要することが少なくありません。
初回手術後、長期間が経過した難治性偽関節には、人工肘関節による治療が有力な治療選択肢となります。
担当医師からのメッセージ
放っておかないで——肘の痛みや動かしにくさは生活全体に影響します
肘が痛い、あるいは十分に動かない、十分に力が入らないといった症状が出てきた場合、生活する上で様々な支障が出てきます。
肘関節が十分に機能しない場合、例えば顔まで手が届かないと首に負担(※ 関節リウマチの方では、首への負担から頚椎の変形・亜脱臼の悪化などから脊髄麻痺を生じる場合があります。)がかかったり、肩を痛める原因になったりします。特に、両肘の痛みや動きが悪いと生活に不自由なだけでなく、介護無しで生活していくことが困難となります。
取り返しがつかないほど肘の病状が悪化してしまう前に、是非、専門医の診察を受けてご自身の状態を相談してください。
